静けさの中で味わうラーメンと湯の余韻
先日、秋の高尾山へ登ってきました。
朝の空気はひんやりと澄み、木々は少しずつ色づきはじめています。
駅を降りた瞬間から、都会の喧騒が遠ざかり、
山の静けさと土の匂いに包まれるようでした。
今回はケーブルカーを使わず、麓からゆっくりと登ることにしました。
ただ、序盤のコンクリートの道が想像以上に厄介。
足裏にじわじわと負担がかかり、ふくらはぎが張ってくる。
自然の柔らかな土道のほうが、やはり体には優しいのだと実感しました。
途中、茶屋で買った串だんごを頬張りながら小休止。
香ばしいくるみみその香りと、もちの弾力。
歩き疲れた体に甘みが染みわたり、思わず笑みがこぼれます。山頂にて
山頂では、持参したガスバーナーでお湯を沸かし、熱々のカップラーメンをいただきました。
湯気の向こうに広がる澄んだ空、遠くに見える街の輪郭。
その中で啜る一杯のラーメンは、何よりのごちそうでした。
食後はインスタントコーヒーを淹れて、しばしの休息。冷たい風の中で飲む温かな苦味が、心に静かに染み込みます。ふとバッグの中のポテトチップスを取り出すと、標高のせいで袋がふくらんでいました。
そんな小さな変化にも、山の空気を感じます。
下山、そして温泉へ
帰り道でも再びくし餅を。甘辛いタレを味わいながらの下山は、どこか贅沢な気分です。
麓に戻ったあとは、そのまま温泉へ。湯に身を沈めた瞬間、全身の緊張がほどけていくのがわかりました。登山の疲れとともに、日々の疲れもゆっくりと溶けていくよう。湯上がりに飲んだ冷たい牛乳が、また格別でした。
¨̮⃝ Several photos of me taken by a friend ¨̮⃝
登っているときはただ前を向くことしかできない。一歩一歩を積み重ねるうちに、いつの間にか景色が変わっている。
ふと立ち止まって振り返ったとき、
「あぁ、こんなに登ってきたのか」と気づく瞬間がある。
それは山だけでなく、日々の暮らしも同じなのかもしれない。
何かを成し遂げようとするよりも、少しずつでも歩き続けることが大切なのだと、冷たい風の中で改めて思った。
温泉に浸かりながら、登りの苦しさも、コンクリートの硬さも、
すべてが心地よい余韻に変わっていく。
また、あの静かな山道を歩きたくなる。